網膜投影光学ユニットQDレーザ RETISSA OptHead 60をためしてみました

網膜投影光学ユニットQDレーザ RETISSA OptHead 60をためしてみました

網膜投影光学ユニット RETISSA OptHead 60を試してみました。ピコレーザープロジェクタと組み合わせて、新感覚なディスプレイとして楽しめます。すぐこれで何かできるというわけではありませんが、何か面白い応用を考えてみたいです。
Clock Icon2020.06.17

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はじめに

ツイッターのTLを眺めていたら面白そうなデバイスが販売されているらしいことを知りました。網膜に映像を直接投影するデバイスだそうです。以前、これの製造元であるQDレーザ社の製品を展示会で見かけて、デモの列に並んだものの人が多すぎて諦めたという過去の記憶が蘇りました。そのときの不完全燃焼感を解消すべく、さっそく入手してみましたのでレポートします。

RETISSA OptHeadとは

特設サイトが開設されています。掲載されている特徴を引用します。

RETISSA OptHeadは、網膜に直接投影する新技術「ビジリウム」テクノロジーを体験するためのキットです。 より手軽に、より広い用途へ、未来のディスプレイ技術の可能性が広がります。

本製品は、「○○ができる」ではなく、その「○○」を創出、実験、検証するための開発キットです。 明確に用途が決まっている製品ではないからこそ、自由なアイデアを新しいカタチに!

仕様

仕様は下記の通りです。

  • 型番    :QLEWS05-6010
  • 価格    :オープン価格
  • 外形寸法  :68x116x48 ㎜(幅x高さx奥行)
  • 重さ    :約62g(固定部含む)
  • 視野角   :60度(水平)
  • 作動距離  :5.3mm ​- 減光率   :約1/70,000
  • ​対応製品  :HD301D1(別売)

買ってみた

RETTISA OptHeadはこちらで販売されています。

https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/542/pdp.open/542

価格は16500円(税込)です。巣篭りモードというのもあって、ついついぽちってしまいました。

これ単体では機能せず、小型プロジェクタに取り付けるアダプタになっています。実はこのプロジェクタはすでに入手済みでしたので、今回購入したのはOptHeadのみです。注文して数日後、レターバックで届きました。

HDピコレーザープロジェクター自作キット HD301D1

OptHeadを試す前に、このピコレーザープロジェクターを少し紹介しておきます。

レーザーを光源に使用し、MEMSミラーによる走査タイプのプロジェクターです。レーザーを使用しているため、どこにでもフォーカスが合うため、曲面への投影も可能とされています。

サイズは、長さ95mm, 幅65mm、厚さ16.5mmと、手のひらより少し大きいくらいの小ささです。電源もUSB 1.5Wと低消費電力です。もともとはラズパイ用として販売されているものです。

投影サイズは30cmの距離でA5くらいです。このくらいの大きさなら十分明るく見えます。しかし大きく映すには向いていない感じです。

インターフェースは通常のHDMIで、解像度は720pです。MacBook Proに接続するとこのように情報が出てきます。

画質は、まぁなんとかといった程度で、作業をするディスプレイとしは厳しいけど、プレゼン資料なら許容範囲という感じです。文字を映すより、画像やサイネージ向けですね。

レバースイッチでメニュー操作ができるので、画質や反転などの設定も可能です。

Retissa OptHead 60

さて、本題のRetissa OptHeadですが、こんな箱に入っています。

開封の儀。簡単な説明書とともに、レンズモジュールが入っています。

モジュールの一端が開口部になっており、ここにピコプロジェクターを嵌め込むようです。

組み立てたところです。この置き方だとプロジェクターは裏向きになっています。1/4インチのカメラネジでプロジェクタを固定しています。同サイズのネジ穴も付いているので三脚等にも取り付けられます。とりあえず机に置いて、そのまま覗き込む感じで試します。

ちなみにプロジェクターは逆向きに嵌めることもできます。この場合、倒立像になります。(プロジェクタ側の設定で反転も可能です)

レンズから覗き込むと画像が写っているのが見えます。

目をアイカップに当てるとこんな感じで見えます。網膜投影という言葉から想像していたのと印象は少し違いました。実際には、顕微鏡か、双眼鏡を覗き込んでいるような感覚です。

試してみると目の位置がずれると見えなくなってしまいます。スマホカメラを近づけて撮影した場合でも、ちょっとでもずれると下記のように画が切れてます。実際に目でみる場合も同様です。双眼鏡などの光学機器の仕様として瞳径が記されていますが、このデバイスは瞳径が小さいのだと思われます。なので、網膜投射というよりは、覗き込むという使用感につながっているようです。

中の仕組みですが、減光フィルターとレンズの組み合わせになっています。減光はカメラ用に売られているNDフィルターに相当するものでしょう。仕様によれば減光率は1/70000となっています。

さいごに

QDレーザ社の網膜投影ユニットRetissa OptHead 60を入手して試してみました。なるほどこれが網膜投影か、ということは体感できました。この製品は、アイデアを膨らますための技術デモが目的です。こんな仕組みでこんなことができるということが感じがわかりました。何かすぐに応用のアイデアがあるわけではありませんが、何か面白いことができたらいいなと思っています。

同社からは眼鏡タイプの製品「Retissa Display II」が販売されているようです。各地でデモ展示されているようですので、機会があれば試してみたいと思います。

参考サイト

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